風疹ウイルスの飛沫感染によっておこる病気です。潜伏期間は2~3週間です。軽いカゼ症状ではじまり、発しん、発熱、後頚部リンパ節腫脹などが主症状です。そのほか眼球結膜の充血もみられます。発しんも熱も約3日間でなおるので「三日ばしか」とも呼ばれています。合併症として、関節痛、血小板減少性紫斑病、脳炎などが報告されています。血小板減少性紫斑病は患者3000人に1人、脳炎は患者6000人に1人くらいです。思春期や成人になってからかかると一般に重症になりやすく、3日ではなおらないことが多いのです。とくに成人での風疹脳炎はよくある合併症として恐れられています。

妊娠初期の3ヶ月以内にお母さんが風疹にかかってしまうと、その子どもの最高85%までが、目が見えなくなったり、耳が聞こえなくなったり、心臓疾患、また知的障害をもって生まれます。

このように風疹ワクチンは妊婦への感染を防ぐという意味と、成人になってから風疹にかかり重症になるのを防ぐという2つの意味をもつワクチンです。現在でははしかワクチンとの混合ワクチンになっていて1歳、5歳の2回接種でしっかりと抗体をつけておくようになっています。

副作用

発疹、リンパ節腫脹などがありますが一般に軽度で頻度も1~2%以下です。また成人女子では関節炎、ギランバレー症候群の症例報告もあります。

20歳以上の方へ

 かつては中学生女子に接種されていました。子どものときに風しんにかかっていなかったり予防接種をしていない女性はもとより、いずれも不確実な人、これから妊娠する可能性のある方はぜひ抗体検査を受けてください。抗体検査は風疹IgG抗体が必要で、他の抗体検査をしても無意味ですのでご注意ください。抗体がなければ予防接種をして、将来の妊娠に備えてください。