RSウイルス感染症
RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus RSV)は、乳幼児(特に2歳以下の乳幼児)の肺炎や細気管支炎等の下気道感染症を引き起こす主要なウイルスです。冬期を中心に、乳幼児に下気道の広範な狭窄を引き起こし,臨床的に喘鳴,努力性呼吸(多呼吸,胸郭陥凹,腹式呼吸など)を特徴とします。獲得免疫が不完全なために再感染が高率にみられ、乳幼児では毎年RSウイルス感染に罹患する症例もみられます。インフルエンザなども同様の症状を引き起こし、関東地方では12月から1月中旬までと流行する時期も重なっているため、よくインフルエンザと間違えられます。
斉藤小児科内科クリニックでは鼻咽腔からの検体採取により15分程度でそのウイルス同定をおこない、インフルエンザと区別し、適切な治療法を選択する努力を行っています。
重症例も少なくなく,特に低出生体重児や先天性心疾患のある患児では致死的経過をとることもあり、要入院の例は少なくありません。ウイルス性感染症なので基本的には保存的治療に限られ、水分の補給を充分に行い、喘息に準じた治療を行います。軽症例では外来にて経過を観察しますが,乳児では分泌物が粘稠になって急速に悪化したり突然無呼吸に陥ることがあるので,入院加療が望ましいとされています。
溶連菌感染症
溶連菌というのは溶血性連鎖球菌というばい菌の略で、この菌の毒性の強いものに感染すると、全身が真っ赤になりしょう紅熱といわれ、昔は法定伝染病として扱われていたような病気です。この菌に感染すると、発熱、苺のような舌(舌にぶつぶつした赤い小さな突起が目立つ)、のどの痛み、時には発疹が見られます。問題なのはこの病気はかかってから1,2週間に腎炎とリウマチ熱の合併症を起こすことです。抗生物質がとても良く効くので早期に診断し、最低10日間は抗生物質を服用し、合併症を防ぎましょう。
斉藤小児科内科クリニックでは綿棒でのどをこすり検査をし、10分程度の迅速検査で結果をだすことが可能です。とても役に立つ検査です。
アデノウイルス感染症
アデノウイルスには49の血清型があり,多彩な臨床症状を起こすことで最近注目されてています。 上気道炎,角結膜炎,胃腸炎の3つが主要症状で,3,4型と咽頭結膜熱,8型と流行性角結膜炎,40,41型と胃腸炎,11型と出血性膀胱炎の関係がよく知られています。このうちの咽頭結膜熱がプール熱といわれ,咽頭扁桃炎,結膜炎,発熱を主症状とし,幼児に好発します。プール内より集団生活や家族内での感染(通年性)が多いことが最近知られてきました。 3型によるものがほとんどですが,近年,7型による本症が少数ながら報告されています。対症療法が主体で、高熱が続いても,全身状態は良好のことが多いのですが、咳を伴い全身状態が不良の場合は,7型による肺炎を疑います。 結膜炎に対して,点眼液を使用します。
斉藤小児科内科クリニックでは咽頭、結膜から綿棒で検体を採取し15分程度でそのウイルス同定をおこなっています。
ロタウイルス感染症
別
名 白色便性下痢症(白痢)と呼ばれています。臨床症状は、嘔吐、下痢、発熱です。特に乳幼児では、他のウイルス性腸炎に比較し、下痢がひどくなり、脱水で重症化しやすいので注意が必要です。また無熱性痙攣をおこすことも知られています。このように、他の下痢症に比較し重症であり、早期に迅速検査で診断を確定し、早めの食事療法、脱水予防が大切です。
本院では、肛門より綿棒で便をとる独自の迅速法を考案し、約10分で結論をだし、早期診断により入院をさけるよう努力しています。
ノロウイルス感染症
ノロウイルスの迅速検査ができるようになりました。平成19年11月よりノロウイルスの迅速検査が可能になりました。検体は便を使用します。まだ保険はとおっていません。かかりつけの方には無料で検査しています。 便の量は小豆大のものが必要です。また検査にかかる時間はおよそ30分です。従って遅い時間での受診の場合結果の報告が次ぎの日になることもあるのでご注意ください。現在までの経験では、下痢がはじまってからすぐより、数日たったほうが陽性になる率が高い様です。このようなことより検査でマイナスと判定されても、ノロウイルス感染症を完全には否定できないと思ってください。
ノロウイルス感染症の臨床症状 (国立感染症研究所ウイルス第二部 片山和彦)より引用
ノロウイルスのボランティアへの投与試験の結果から、潜伏期は1~2日であると考えられている。乳児から成人まで幅広く感染するが、一般に症状は軽症であり、治療を必要とせずに軽快する。まれに重症化する例もあり、老人や免疫力の低下した乳児では死亡例も報告されている。嘔気、嘔吐、下痢が主症状であるが、腹痛、頭痛、発熱、悪寒、筋痛、咽頭痛などを伴う こともある。ウイルスは、症状が消失した後も3~7日間ほど患者の便中に排出されるため、2次 感染に注意が必要である。ボランティアのバイオプシー由来の腸管組織を病理組織学的に観察した結果から、ノロウイルスはヒトの空腸の上皮細胞に感染して繊毛の委縮と扁平化、さらに 剥離と脱落を引き起こして下痢を起こすらしいことが明らかになっている。しかしながら、このような現象がどのようなメカニズムによるものなのか、その詳細はまだ不明である。