オムツがピンクになる現象-尿酸尿について
特に夏場になると左の写真のようにオムツにピンクからだいだい色のしみがついて、おかあさんがびっくりすることがあります。これは尿酸尿といって心配はないものです。
★尿酸尿★
生後半年くらいまでの乳児では、まれにオムツに赤い色がつくことがあります。よく血尿と間違えられますが、多くの場合、これは尿に尿酸という物質によって見られるもので、特別に治療が必要なものではありません。この時期には一生のうちで最も新陳代謝が盛んな時期であり、体がどんどん作りかえられるために、尿酸が大量に尿に排出されるのです。尿酸は尿のPHによっては溶けにくくなるため、オムツの中で結晶となって析出することがあります。それが赤やピンク色の着色となって見られるのです。こういった症状が見られたら、念のために(本当の血尿と鑑別するために)、採尿し尿の検査を受けておきましょう。
水分補給の注意
脱水の予防、脱水の治療にはそのために開発されたソリタ顆粒(処方ででるがやや味が悪い)、アクアライト(ポカリとはちがう、自分で買うが味がよい)、OS-1をすすめます。年長児で脱水がさほどでもなく、ぐったりとしているような低血糖状態の時は、紅茶に砂糖をいれて甘ーくしたものがおすすめです。いずれも1回に100CC以内(コップに半分程度)とし、冷たいと腸蠕動を亢進させるので、室温程度で与えてください。
脱水というのは、水分だけがなくなるわけではなく、ナトリウム、カリウム、クロールなどの電解質も同時に不足します。例えば嘔吐、下痢などで体重が1000g減少した場合、みず、麦茶、ポカリスウェットなどだけだと1日1000ml以上の補給が必要ですが、ソリタ、アクアライトを利用すれば、600ml程度の補給で生体の自己回復力を利用し、脱水の治療ができます。病院で点滴をする時には水ではありません、電解質液ソリタ液などを点滴するのです。
またよくある間違いは、脱水のときに牛乳、果汁を与えて、脱水を悪化させてしまうことがあり、注意してください。牛乳には蛋白、脂肪、乳糖などが含まれいずれも胃腸炎の急性期には望ましくありません、また果汁、特にリンゴ果汁は下痢を悪化させるといわれています。
ミルクアレルギーと整腸剤の副作用について?
整腸剤の使用により下痢がひどくなる例があります。とくに抗生剤と整腸剤の併用で特に多くみられます。乳酸菌製剤の整腸薬、具体的には、ラック−B、ビオスリー、エンテロノン−R、タンナルビンなどですが、これらの薬は牛乳アレルギ?では使用禁忌なのですが、以外と無頓着に使用され、下痢の遷延化の副作用がおきています。特に2歳未満でのミルクアレルギ?は少なくないので、ミルクアレルギ?ではないことが検査でわかっている人意外は上記の整腸剤はさけた方がいいと思います。
是非処方されたお薬のなかにこのような整腸剤がはいっていないかチェックしてみてください。
血液で判る癌の診断?
7月よりは無料の各種健康診査がで行われています。市役所からの受診券を持参し受診してください。忙しい方は予約診療も可能です。当院での基本健康診査の特徴としては成人病検診のほか、癌検診の相談も積極的に行っていることです。
成人病の他に、ついでに癌も心配なかたは是非下のがん検診をご覧ください。過去5年以上パイロットスタディとして無料で行っておりミニドックなみの実績をあげています。
繰り返す中耳炎、扁桃炎には原因の検査と予防接種がおすすめです?
乳幼児期の繰り返す中耳炎の原因として、免疫グロブリンの異常があります。最近当院でも中耳炎の切開を繰り返された例に、IgA欠損症と診断した症例が少なくありません。その他貧血があったりすることもあります。
このような場合、抗生物質の使用しすぎで効かない菌がふえているため、切開を繰り返すことになります。中耳炎の繰り返しが見られる場合や扁桃炎を繰り返す場合は是非相談してみてください。
また中耳炎をおこす菌は、インフルエンザ菌、肺炎球菌によるものが80%以上です。したがって、ヒブワクチン、こども用七価肺炎球菌ワクチンで予防し、抗生剤服用による抵抗力減弱をふせぐこともできます。
スギ花粉症の日常生活での注意?
スギ花粉症は遺伝性の病気で、IgERASTで3+以上で症状が出現し、また強陽性のひとはヒノキに対しても陽性のことが多いようです。時々まったく上記の検査で異常がないにもかかわらず、スギ花粉症と信じている 思い込み花粉症の人もいます。
症状は鼻、目の他、皮膚、粘膜、気管支に出現するので注意が必要です。院長自身スギ花粉症なので、文献、経験に基づいた注意を以下に述べます。洗濯物、ふとんは室外にだすのはやめましょう。特に目、鼻以外にも下着についた花粉で外陰腟炎をおこすことが知られています。帽子をかぶりましょう。朝シャンをやめて夜シャンにしましょう。髪の毛についた花粉は夜間の鼻づまり、目のかゆみの原因です。時々、マスクにゴーグルという完全防御なのに頭はそのままという人をみかけますが、これでは、お尻かくして頭隠さずという具合で完璧ではありません。ただし、そのままの姿で銀行にいくのだけはご遠慮ください。点鼻薬はひどくなる前に使用しましょう。鼻の症状は飲み薬が良く効きますが、それでも花粉が大量のときは、鼻汁がひどくなります。点鼻薬はひどくなってから使用してもあまり効きません。朝起きたらすぐに、あるいは外出前に使用し、もしひどい状況で使用する時はマスクなどで症状がおさまってから使用すると有効です。
セレスタミンはステロイドです。3日以上の使用はやめましょう。 花粉症に対するステロイド療法はその恐ろしい副作用(軽微なものでは生理がなくなること、肥満、にきびなど、重大なものでは糖尿病、骨粗しょう症、ショック、胃潰瘍など)に未経験な医師によって、1回うてば1シーズン有効などと称しステロイドの筋肉注射が行なわれたことがあります。さすがに最近ではこの様な治療をおこなう医療機関は少なくなってきましたが、まだ経口でのセレスタミン療法が散見されます。やむをえない時に3日以内の使用であれば問題はありませんがそれ以上は危険です。 手間をかけて花粉症とつきあい、副作用のある治療を避けたいものです。 スギ花粉症の症状が咳ででることがあります。大量にスギ花粉を吸い込んだり、季節の初期には鼻の症状がなく、喘息様の症状で花粉症が出現することがあります。注意が必要です。 季節は5月の連休までといわれ、ヒノキがあると5月いっぱいまでといわれています。 もうすこしの辛抱です。がんばりましょう。
小児科専門医の不足と小児救急医療の問題?佐々総合病院小児科24時間体制の崩壊について
西東京市地区の小児救急は佐々総合病院が24時間体制で診療していたため比較的めぐまれていました。しかし小児科医師の不足のため廃止されてしまいました。また数年後には清瀬小児病院の廃院も予定されています。
もともと佐々総合病院での小児科24時間体制は私が医長として赴任したちょうど今から20年まえ(1986年)から小児病棟の開設とともにはじまりました。いまから思うと体力もあり、ほとんど毎日24時すぎまで病院にいて、深夜の呼び出しもかなりの頻度で応じてきました。大学病院からの応援でなんとか24時間体制が維持されてきました。私のあと優秀な臨床医である清原先生の力により、専門病棟、医員の増員などで佐々総合病院の小児科は地域になくてはならない施設となっていきました。
今回このような事態になりとても残念ですが、ある程度やむをえないのではないかとも思います。というのも私にしても清原先生にし ても小児科として真摯に地域医療に取り組んできたのですが、個人の犠牲が多大な割りに評価をうけていないと以前から思っていたからです。具体的には36時間勤務を月5回以上必要なシステムは長くは維持できません。
最近の小児救急医療の必要性も社会風潮から行政が積極的に取り組み始めたから目立つようになってきただけなのです。
小児科医のこのような劣悪な環境、もうからない、大変、神経を使う、夜間勤務が多いなどの要素が、医学部を卒業した医師の小児科医への志望を減らしています。こどもがすきという理由だけで小児科を選んだ私のようなものはもう時代遅れなのでしょうか。根本的に小児医療を見直さないととりかえしがつかないことになるでしょう。 清原先生本当にご苦労様でした。
西東京市の夜間診療について?
佐々総合病院小児科の24時間体制の崩壊、清瀬小児病院の移転など小児救急医療がここ西東京市でも破綻しつつあります。清瀬小児病院の移転が確定し、その受け皿として多摩北部医療センター における小児科の開設、小児科医の充実がはかられようとしていますが、とにかく小児科医の不足はどうしようもないところまですすんでおり、なかなか進展しないのが実情です。
開業小児科医は自医院での診療のほか、多くの出務診療をほぼ強制的におこなわなければならないのが実情です。例えば、校医、園医、集団予防接種、集団乳児健診、健康相談事業、夜間診療事業、休日診療などなどです。多いときには月8回以上の出務が強制されます。この出務の日には、午前中診療、昼食なしで出務、もどってすぐ午後の診療(この間に時間があればカップ麺をすする、忙しいときにはそれもなし)という具合です。このような過酷な日程に耐えられず、出務を辞退する小児科医が当然でてきます。そうなるとその仕事の分までふえることになり劣悪な労働環境の悪循環におちいります。
このような状況のなか平成19年7月より西東京市、東久留米市、清瀬市、東村山市、小平市の5市の共同による小児救急が始まっています。時間は19:30から22:30の間です。
場所 月:佐々総合病院
火:多摩北部医療センター
水:佐々総合病院
木:多摩北部医療センター
金:多摩北部医療センター、佐々総合病院 でおこないます。医師は各医師会に属する小児科専門医が診療します。
これは西東京市、東久留米市、清瀬市、東村山市、小平市医師会の共同事業で都も積極的な応援をしています。単一の市だけではその人材不足のために行えないものを行なうためのモデル事業として注目をあびています。
みずいぼの治療について?
伝染性軟属腫(みずいぼ)はウイルス疾患であり、皮膚と皮膚の濃厚な接触があれば他人に感染する恐れはありますが、学校保健法に規定された隔離の必要な伝染病でなく、登園やプールの入水を禁止する必要はありません。プールの水質検査では残留塩素濃度0.4mg/L(400ppm)以上という値が義務づけられていますが、これはウイルスをすみやかに不活化する濃度から決定されています。公共、学校のプールでは遵守を保育園、幼稚園等では努力義務が課せられています。プールへの入水を禁止している学校、園があるとしたらこの水質を保っていないのではないかと考えます。その場合もっと怖いウイルス、細菌の感染のほうが心配です。具体的にはアデノウイルス感染症(プール熱)とか病原性大腸菌感染症(O−157)などです。
裸でおしくらまんじゅうとかの肌をすり合わせることをしない限りみずいぼがプールでうつることはありません。本ウイルスに対する抗体の存在は報告されていて、多数のいぼが出来ると自然に消退して行くこともしられています。
治療としてはピンセットでむしりとるというとても痛い方法がてっとりばやいのですがおすすめしません。というのも痛みが強いという他、みずいぼに対する抗体ができない限りとってもまたできてきたり、ときにはとったあとがケロイドになる例があるからです。従って本院では漢方薬、ヨクイニンを服用してもらい、抗体の産生を早期にうながし、根本からなおす方法をとっています。はやければ服用を2ヶ月位つづけるとぼろぼろとくずれはじめきれいに直ります。それでもとらないとプールにいれてくれない、とか早く直したいという人には硝酸銀ペースト法を用います。
これは硝酸銀を小麦粉にまぜて小さな団子にして、これをいぼにくっつけます。すると数日でその部分が黒くなりいぼがとれます。痛みは全くありませんが、痒みがある場合があります。時々みずいぼでむしりとられた経験から、みずいぼ恐怖症になっている子がいます、治療には出来る限り痛くない方法を選択してあげてください。
包茎について?
おちんちんについての悩みです。うちの子は包茎ではないか、と悩んでいるお母さんがたくさんいます。こどもはみな包茎で心配ありません。ただし包茎には2種類あってむいて亀頭が露出する仮性包茎と、むけない真性包茎があり、問題になるのは真性のほうです。このむきかたにもテクニックがあり簡単にむけない場合は親がむくのは絶対やめてください。無理にむくともどらなくなるからです、必ず医院を受診してください。
結論からいうと手術になるような真性包茎はまれにしかありません。当院にむけないで心配で来院され、むけなかった例はありませんでした。かたくてむけない場合も根気良くステロイドの軟膏を毎日ぬっていると、早くて1ヶ月、遅くとも3ヶ月ぐらいでむけるようになります。
当院では6,9ヶ月、1歳6ヶ月健診の時に確認していますが、真性包茎でごみがたまったり、痒くて汚い手でさわりばい菌がつき膿がたまってしまってしまうことも少なくありません。昔は包茎は小学校へはいるまでは放置するという意見が多数でしたが、最近では簡単に直すことができるようになったため、親が気になるときは確認しましょう、というように変わってきています。遠慮なくご相談ください。
こどもの発熱について
こどもは一般には体温が高く、午前中は37.5、夕方38℃位には正常でもあがることがあります。したがって、発熱とは38,5℃以上が持続することをいいます。感染症が発熱をきたす代表例ですが、その他にも喘息発作のゼイゼイの時や、脱水の時にも微熱が持続します。また思春期の始まりのころにはホルモンの関係で微熱が続くこともあります。
小児科医が最も神経質になるのは1歳6か月未満の発熱です。この年齢で絶対見逃したくない病気に髄膜炎があるからです。診断の遅れで後遺症が残るからです。この年齢での高熱の持続の大部分は突発性発疹なのですが、発疹は高熱が3日ぐらい続いて、解熱後に出てくるので確定診断できるのは3日後となり、万が一髄膜炎の高熱だった場合手遅れになるので診断が確定するまでは心配です。
したがってこの年齢の発熱には、検尿、のどの検査(インフルエンザ、アデノウイルス)の迅速検査、下痢の場合便の検査(ノロウイルス、アデノウイルス、ロタウイルス)を行い、早期に診断を確定し、これでも不明の場合には採血を行い、CRP(炎症の程度をみる検査、5mg以上で重症)白血球の検査により、髄膜炎の可能性の100%除外をめざします。
当院でのこの様な方針についてはかかりつけの方は理解してもらっているのですが、初診のかたには検査が多いのではと思われるかもしれません。ご存じだと思いますが、3歳未満の小児についての検査料は保険では請求できず、クリニック持ち出しで行っているという現状ですので、なにとぞその点についてご理解ください。