クリニックニュース

さいとう小児科内科クリニックニュース 3月号

*お知らせ*
*クル病 ビタミンD不足について*
*今、はやっている病気*
*病児保育室「えくぼ」のお迎えサービスについて*
*アトピー性皮膚炎、食物アレルギーを防ぐ最新の知見*
*スギ花粉症の日常生活での注意 *
*抗生物質の使用はなるべく避けましょう*

お知らせ

祝日診療のお知らせ

 2月24日(月 振替休日)臨時外来9:00~12:00
 3月20日(金 春分の日)臨時外来9:00~12:00
 4月29日(水 昭和の日)臨時外来9:00~12:00
 祝日診療では迅速検査、点滴は可能ですが、時間の制限があるのでご注意ください具合の悪い方はなるべく早く受診してください。予防接種もおこなっています。

乳幼児歯科相談

 毎週月、水曜日午後2:00より4:00まで乳幼児歯科相談をおこなっています。歯科医師による歯磨き指導、虫歯予防、歯にかかわる相談をおこないます。費用は無料です。以外にも気楽に相談する機会がないようで延べ300人以上のかたが受診されています。予約不要でおこなっていましたが、最近希望者が多くなっていますのでできれば予約をお願いします。楽しく歯磨きをおこなえるように指導をおこないます。詳しいことは当院受付にお尋ねください 。

発達テストを行っています

 生後0歳から6歳までの子どものDENVERⅡによる発達テストを開始しました。気になる方は乳児検診などでご相談ください。

クル病 ビタミンD不足について

 ビタミンD不足の乳幼児が増えています。5年前に比較し3倍以上になっていると言われています。その理由として母乳栄養、日光不足があると考えられています。人口栄養にはビタミンDが添加されています。また紫外線による皮膚のダメージを避ける傾向が次第に強くなり、その結果ビタミンD不足をきたしています。
  ビタミンD不足はアレルギーの発症に関与している、とか乳幼児期のO脚の原因になる、とかの報告があります。
  母乳栄養児、体重増加の悪い乳児では貧血のチェックのほか、アルカリフォスファターゼのチェックをお勧めしています。当院ではこの検査で異常がある場合は血中ビタミンDを測定しています。その結果によりビタミンDのサプリを投与してもらっています。すでにアメリカでは一歩先に進んでいて母乳栄養児にはビタミンDのサプリが積極的に推奨されています。
  クリニックで行う6か月健診の時には遅いので、生後2か月から行う予防接種の時に相談してください。

今、はやっている病気

  咳と熱が続く場合

 インフルエンザのピークはすぎました。マイコプラズマ肺炎も流行っています。年長児、ほぼ5歳以上で熱があり咳がひどく、インフルエンザでない場合にはマイコプラズマの可能性大です。その結果すべてマイナスの場合にはヒトメタニューモウイルスやRSウイルス感染を考えます。熱が長い場合には細菌性肺炎が考えられので採血を行ったり、胸部のレントゲンをとります。

  熱中心なら

 アデノウイルス、溶連菌感染症、インフルエンザが流行しています。検査なしで抗生剤を服用すると本当の原因が判らなくなります。

  吐き気あるいは下痢なら

 ノロウイルスの流行の季節になりました。下痢、嘔吐による脱水がひどく、点滴が必要になる場合があります。受診はなるべく早くお願いします。経口補水液をうまく使って点滴をさけるようにしてください。水分補給の注意の記事も参考にしてください。

病児保育室「えくぼ」のお迎えサービスについて

 保育園での急な発熱などで、就労中の両親が急に呼び出されて、仕事を中断しなければならないことは少なくありません。この対策のために、病児保育室「えくぼ」は平成29年4月からお迎えサービスを実施していましたが次第に利用者が増えています。これは園で急に具合が悪くなった場合、病児保育室の職員(基本的には看護師)がタクシーで迎えにいき子どもを預かり、クリニックを受診、処置、投薬をおこない病児保育であずかるというシステムです。親の対応が遅くなるとか急な処置が必要な場合、医療的処置が直ちに行えることで、安心して子どもを預けられるというメリットがあります。当施設では西東京市での正式な事業にするよう要望していますが、病児保育室「えくぼ」では独自に開始しています。国、東京都でも推進しており(平成28年7月)、清瀬市では平成29年度よりこの事業を行政として開始しています。
実際に運営しすでに多くの利用があり現在まで32名の方が利用し次第に増加傾向が顕著で、特にトラブルはないのですが、往復のタクシー代の実費が平均2000円程度かかることが若干の問題になっています。
 対象者 「えくぼ」を利用したことがある方で、送迎サービス登録をおこなっているひとが対象です。保育園、その他の園での理解や周知のほか、両親、園、病児保育室の三者の円満な相互理解と信頼も必要です。
 費用 往復のタクシー代の実費 
実際の流れ 園で体調不良→園から親に連絡→当該システムの利用を確認→園あるいは親から「えくぼ」に連絡(042-438-7001えくぼ専用電話、042-421-7201クリニック)→送迎サービス登録を確認(その場での登録、利用は不可です)→利用開始
 この事業が行政での事業になることにより、利用者負担が軽減されるようご理解とご協力の程お願いします。

アトピー性皮膚炎、食物アレルギーを防ぐ最新の知見

 生後6か月までがポイント

保湿剤での治療は悪化することが多く、部位にあったステロイド外用剤を適切に使用することが重要です。欧米では否定されている保湿剤信仰が日本ではいまだにはびこっているためか、治らないのに塗るだけで安心していることが多いのが現状です。よくならない軟膏、クリームの使用はやめること、皮膚の痒みをなくし、傷をつくらないことをこころがけてください。

 食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の関連

食物アレルギーがアトピー性皮膚炎の原因といまだに信じている人は少なくありません。
事実は逆で乳児湿疹などの皮膚炎により皮膚に傷がつくことによりそこからアレルギー物質が吸収されることが繰り返される結果として食物アレルギーになるというのが最近の見解です。そのためにも6か月までの皮膚の状態を痒みのない、正常な状態にしてあげてください。

 ざらざらした肌は必ずしも乾燥しているわけではない

寒くなると皮膚がガサガサしてきますが、必ずしも乾燥が原因ではありません。寒くなり血流が十分でない手足は表皮の炎症をおこし(しもやけ)寒暖の差で痒みが一層ひどくなることはよく経験することです。その時の皮膚はよく見ると切れ目が細かくはしり、結果的にガサガサしてきます。この様な状態の時にワセリンをぬると一時的には良くなったように見えますが次の日には全く前とおなじで、改善していません。炎症をおこしているので炎症を抑える軟膏を使用すると数日で治ります。

 ヒルドイド並びにその類似品ではアトピー性皮膚炎、湿疹を治すことはできない

保湿剤として使われているヒルドイド並びにその類似品には湿疹を良くする作用はありません。また軟膏、クリーム、ローションで添加物が異なっているので、注意が必要です。 塗って悪化する場合は大部分がクリーム、ローションで、その共通の添加物はラノリンです。欧米ではラノリンは良く知られたアレルギー物質で注意されていますが、日本では皮膚科の専門医でも知らない医師がいるので、自分で注意することが必要です。化粧品にもよく含まれています。

 数年で非ステロイドの今までにない軟膏が市販される予定

いままでに発売されたアトピー性皮膚炎用の非ステロイド軟こうは効き目が充分ではありませんでした。アンダームは皮膚炎を悪化させるということで発売禁止になり、プロトピックは皮膚の刺激が強く、軽症のアトピー性皮膚炎しか効かない印象です。新しい未発売のこの軟膏はリンデロンと同程度の効果がみこまれていて、重症のアトピー性皮膚炎にはステロイド軟膏を併用し、中等度、軽症ではこの軟膏単独での使用でコントロール可能になると思われます。
 以上ですが、アトピー性皮膚炎の治療はここ数年でかなり進歩しているのが現状で、いまだに10年以上前の治療に固執し、皮膚炎を改善しない状況を続けている方が少なくないといえるでしょう。積極的な治療を目指してください。

スギ花粉症の日常生活での注意

   スギ花粉症は遺伝性の病気で、IgERASTで3+以上で症状が出現し、また強陽性のひとはヒノキに対しても陽性のことが多いようです。時々まったく上記の検査で異常がないにもかかわらず、スギ花粉症と信じている 思い込み花粉症の人もいます。
  症状は鼻、目の他、皮膚、粘膜、気管支に出現するので注意が必要です。院長自身スギ花粉症なので、文献、経験に基づいた注意を以下に述べます。洗濯物、ふとんは室外にだすのはやめましょう。特に目、鼻以外にも下着についた花粉で外陰腟炎をおこすことが知られています。帽子をかぶりましょう。朝シャンをやめて夜シャンにしましょう。髪の毛についた花粉は夜間の鼻づまり、目のかゆみの原因です。時々、マスクにゴーグルという完全防御なのに頭はそのままという人をみかけますが、これでは、お尻かくして頭隠さずという具合で完璧ではありません。ただし、そのままの姿で銀行にいくのだけはご遠慮ください。点鼻薬はひどくなる前に使用しましょう。鼻の症状は飲み薬が良く効きますが、それでも花粉が大量のときは、鼻汁がひどくなります。点鼻薬はひどくなってから使用してもあまり効きません。朝起きたらすぐに、あるいは外出前に使用し、もしひどい状況で使用する時はマスクなどで症状がおさまってから使用すると有効です。
 抗アレルギー薬がここ数年で眠気をおさえた良いものがたくさんでています。症状の程度、体質により一番有効なものを選ぶことがとても大切です。数種のものを試してどれが自分に合うか試すのがお勧めです。
 セレスタミンはステロイドです。3日以上の使用はやめましょう。 花粉症に対するステロイド療法はその恐ろしい副作用(軽微なものでは生理がなくなること、肥満、にきびなど、重大なものでは糖尿病、骨粗しょう症、ショック、胃潰瘍など)に未経験な医師によって、1回うてば1シーズン有効などと称しステロイドの筋肉注射が行なわれたことがあります。さすがに最近ではこの様な治療をおこなう医療機関は少なくなってきましたが、まだ経口でのセレスタミン療法が散見されます。やむをえない時に3日以内の使用であれば問題はありませんがそれ以上は危険です。 手間をかけて花粉症とつきあい、副作用のある治療を避けたいものです。 スギ花粉症の症状が咳ででることがあります。大量にスギ花粉を吸い込んだり、季節の初期には鼻の症状がなく、喘息様の症状で花粉症が出現することがあります。注意が必要です。 季節は5月の連休までといわれ、ヒノキがあると5月いっぱいまでといわれています。 もうすこしの辛抱です。がんばりましょう。

抗生物質の使用はなるべく避けましょう

 抗生物質の使用により、耐性菌の出現(抗生物質に効かない菌に侵される)、抵抗力がおちたり、腸内細菌がこわされ下痢になったり、アレルギーが発症しやすくなったりします。特に日本では抗生物質の使用量が以上に多いことが指摘されています。尿路感染症、溶連菌感染症、細菌性中耳炎(滲出性中耳炎は抗生物質不要)などのはっきりした理由なしでの抗生剤は止めましょう。使っても最高5日以内にとどめましょう。このようなことを考慮し、当院では以下の様なパンフレットを配布しています。

抗菌剤適正使用に関する説明書
病名:感冒、急性鼻副鼻腔炎、急性咽頭炎、
急性気管支炎、急性下痢症

 お子様の疾患は理学的所見、検査所見より細菌性感染症以外の原因で発症していることが考えられます。原因としてウイルス感染症、アレルギー性疾患、下痢症では食物アレルギーも考えられます。従って抗菌剤の使用は必要ありません。
また抗菌剤の使用では腸内細菌叢を育てることができず、下痢症状となる、あるいは免疫機能の低下につながることが報告されています。従って予防的投与を含め、抗菌剤の適応はありません。
今後症状の変化によっては細菌感染症の可能性が否定できない、あるいは細菌による2次的感染症の発症が考えられるときには、適切な抗菌剤を投与することもあります。
症状が遷延化するときにはご来院ください。